超音波医学
Online ISSN : 1881-9311
Print ISSN : 1346-1176
ISSN-L : 1346-1176
原著
乳房超音波におけるElasticity IndexおよびElasticity Ratioの良性腫瘤と浸潤性乳癌のカットオフ値に関する検討
松岡 由紀河内 伸江杉野 成美平林 彩森下 恵美子鈴木 高祐木村 武志角田 博子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2017 年 44 巻 6 号 p. 529-534

詳細
抄録
目的:乳房超音波検査においてエラストグラフィの有用性は増してきている.しかし現在までにGE Healthcare(GE)社製装置のElasticity Index(E-Index)およびElasticity Ratio(E-Ratio)の具体的カットオフ値はほとんど示されていない.そこで今回,その値を探ることを目的とし,検討を行った.対象と方法:GE社製LOGIQ E9を用いて,E-Index,E-Ratioを測定した連続症例で,良性病変,浸潤癌,各50症例のE-Index,E-Ratioを後方視的に確認した.それぞれに対してYouden indexを作成し,適正なカットオフ値を検討した.結果と考察:E-Indexのカットオフ値は3.15が,E-Ratioでは2.95と3.1の間が最適となった.通常の検査ではE-Ratio,E-Indexともに3程度とするのが妥当と考えられた.日立製作所製の装置では,良悪性のカットオフ値はStrain Ratio(FLR:Fat Lesion Strain Ratio)で4.3~5.0とされており,今回の結果とは相違があった.装置による相違にも注意して使用することが必要であると考えられた.結論:GE社製装置ではエラストグラフィの良悪性のカットオフ値はE-Ratio,E-Indexともに3程度とするのが妥当と考えられた.
著者関連情報
© 2017 公益社団法人 日本超音波医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top