超音波医学
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僧帽弁・大動脈弁の心エコー評価の進歩と弁形成術の発展
大動脈弁逆流に対する弁形成のための心エコー図計測とその進歩
柴山 謙太郎
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2018 年 45 巻 4 号 p. 419-428

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抄録
大動脈弁疾患への治療の技術的な進歩に伴い,近年では大動脈自己弁温存術(大動脈弁形成術や大動脈基部再建術等を含むが,以後まとめて大動脈弁形成術Aortic valvuloplasty: AVPと表記)や経カテーテル大動脈弁植込み術が広がった.従来は術中計測が可能な開胸大動脈弁置換術が多く選択されていたため術前評価が十分でない場合も多かったが,治療選択肢の拡大に伴って大動脈基部や弁構造など大動脈弁複合体の解剖学的な理解や評価がすすんだ.とくにAVPは若年者の大動脈弁閉鎖不全症(Aortic regurgitation: AR)への治療選択肢のひとつとなっており,大動脈弁複合体の解剖のみでなくARの逆流機序なども十分に理解しこれを手技に活かすことが重要である.術前に心エコー図検査を施行することで治療適応の評価のみならず,これらのAVPに有用な形態的情報を整理することが可能である.本稿ではAVP術前の心エコー図での評価ポイントをまとめることとする.
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© 2017 公益社団法人 日本超音波医学会
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