超音波医学
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総説
乳房非腫瘤性病変 -診断のための分類-
渡辺 隆紀
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2018 年 45 巻 4 号 p. 355-360

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抄録
非腫瘤性病変は乳腺内の低エコー域,乳管の異常,構築の乱れ,多発小嚢胞,そして点状高エコーを主体とする病変の5つに分類される.非腫瘤性病変として認識される病変で多いのは悪性では非浸潤性乳管癌(DCIS)であり,良性では乳腺症や乳管内乳頭腫などがある.非腫瘤性病変を呈するDCISでは乳腺内の低エコー域が76%と最も多く,次いで乳管の異常が16%であり,この二つだけで全体の90%以上を占める1).構築の乱れはDCISでは2%程度であるが,小さな浸潤癌や浸潤性小葉癌などでしばしば認められるので重要な所見である.本稿では5つの分類について解説し,症例も提示する.
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© 2018 公益社団法人 日本超音波医学会
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