2020 年 47 巻 2 号 p. 81-91
目的:Bモード超音波で等エコーまたは境界不明瞭で同定困難な多血性肝細胞癌(HCC)に対する経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)の,造影CT(CECT)またはガドキセト酸ナトリウムMRI(EOB-MRI)との融合画像を用いた造影超音波(CEUS)による早期治療効果判定の有用性を検討した.方法:平均径13.7mmのHCC40結節(22結節:等エコー,18結節:境界不明瞭)に対して融合画像を用いたCEUSガイド下でRFA治療を行った.RFA翌日に融合画像を用いたCEUSによって治療効果を判定した.CECTまたはEOB-MRIはRFAの1ヵ月後に実施された.両方法で得られた所見を評価した.結果:RFA1ヵ月後のCECT またはEOB-MRI での治療効果判定を参考基準とした場合,RFA翌日の融合画像を用いたCEUSでの治療効果判定の感度,特異度,正診率はそれぞれ97%,100%,98%であった.両方法を使用した結果の一致度を示すカッパ係数は0.655であった.結論:CEUSを用いた融合画像はBモードUSで等エコーもしくは境界不明瞭で同定困難な多血性HCCに対するRFA の早期治療効果判定に有用であると考える.