超音波医学
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総説
Point-of-Care Ultrasoundによるショックのマネージメント
亀田 徹
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2020 年 47 巻 2 号 p. 69-80

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抄録

Point-of-care ultrasound (POCUS)はショックの初期診療に有用である.外傷初期診療の場面では,ショックの原因となる心タンポナーデ,血胸,腹腔内出血の早期検出のためにfocused assessment with sonography for trauma (FAST)が行われる.また多くの臨床研究を通じて,心臓超音波検査を専門としない臨床医が行う心臓POCUSの有効性,実行性が明らかになり,focused cardiac ultrasound(FOCUS)と呼ばれるようになった.さらにショックの分類に基づいた包括的な評価法としてrapid ultrasound in shock (RUSH)が知られている.POCUSは呼吸困難の迅速評価,急性期診療で必要な手技の確認やガイド下手技としても有用性は高い.気道(airway),呼吸(breathing),循環(circulation)アプローチに基づいたPOCUSフレームワーク(ABC-POCUS)は,ショックと呼吸困難の初期診療で有効な領域別POCUS全体を系統的に示したものであり,臨床推論に基づきフレームワーク内の領域別POCUSを使い分けるか,プロトコルとして利用するのが妥当である.

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© 2020 公益社団法人 日本超音波医学会
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