2020 年 47 巻 2 号 p. 53-59
ソナゾイド造影超音波が乳房腫瘤性病変に対して2012年8月に保険適用となった.ソナゾイドはペルフルブタンからなる直径2‐3μmの微小気泡である.中低音圧の超音波照射によるバブルの共振で発生する非線形信号の映像化により造影効果が得られるためリアルタイム性に優れた造影画像が得られる.診断基準では,病変が均一に染影されるかまたは全く染影されない場合には良性の可能性が高く,不均一に染影される場合は悪性の可能性が高い.染影欠損を伴う場合やBモード画像で判定する病変の範囲を越えて染影される場合も悪性の所見である.乳房病変に対する造影超音波の撮像方法や臨床応用についても言及する.