2020 年 47 巻 2 号 p. 61-68
超音波診断装置や超音波プローブの改良によって,体表領域の超音波検査が普及してきている.超音波検査は低侵襲であるため,以前より精巣疾患の検索のために陰嚢超音波検査が行われてきたが,近年,超音波画質が向上したことにより,さらに詳細な陰嚢内部の観察が可能となっている.本稿では,一歩進んだ陰嚢超音波検査を行うことを目指して,陰嚢超音波検査時に観察する超音波所見や,陰嚢部(精巣,精巣上体,精索など)の疾患における超音波検査での鑑別のポイントについて解説する.