超音波医学
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超音波で診る血管機能検査
血流依存性血管拡張反応とニトログリセリン誘発性内皮非依存性血管拡張反応の現状と今後
三木 俊
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2022 年 49 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

血流依存性血管拡張反応(%FMD)は,血管内皮障害や動脈硬化の進展状態を把握するための重要な検査である.さらに,ニトログリセリン誘発性内皮非依存性血管拡張反応(%NMD)は,血管平滑筋自体の機能を評価するために推奨されている.現在,%FMDと%NMDの評価の組み合わせは,血管機能障害が血管内皮機能障害のみによって引き起こされているのか,血管平滑筋機能障害まで進展しているのかを判断する重要な検査であり,多くの施設で臨床応用されている.超音波診断装置を用いて算出された%FMDおよび%NMDは,安静時の血管直径から最大拡張時の血管直径の変化率として算出される.それらを用いた先行研究では,%FMDと%NMDが心血管イベントの予測因子になり得ることが示唆され,%FMDは,冠状動脈疾患,心筋梗塞,慢性心不全,高血圧,および頸動脈硬化症の内皮機能障害における心血管イベントの予測因子となることが多数報告されている.

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© 2021 公益社団法人 日本超音波医学会
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