2026 年 53 巻 1 号 p. 3-17
超音波検査(ultrasound: US)は特異度と感度がともに高く,胆道癌が疑われる患者では第一に選択されるべき検査法である.しかし,肝外胆管(extrahepatic bile duct:EHBD)は複雑な解剖とガス像の影響により全体像を描出しにくい.EHBDを明瞭に描出する鍵は,左側臥位での「J字」操作と高周波プローブによる拡大画像の利用である.さらに,胆嚢の腫大,肝外胆管の拡張,胆嚢・肝外胆管内のデブリエコーといった間接所見も,特にファーター乳頭部の潜在病変を検出するうえで重要となる.肝外胆管の壁肥厚の鑑別診断では,まず長軸および短軸方向の進展パターンを評価し,そのうえで最内側高エコー層(innermost hyperechoic layer:IHL)と最外側高エコー層(outermost hyperechoic layer:OHL)の特徴を評価する.非対称性の壁肥厚,IHLの欠如,OHLの不整・不連続は胆管癌(cholangiocarcinoma:CCA)に特徴的な所見である.CCAは胆管の隆起性病変の中で最も頻度が高く,腫瘍の進展範囲や深達度の評価が重要である.結節型CCAは通常低エコーで,垂直方向への進展を認めやすい.一方,乳頭型CCAは高エコーのことが多く,側方進展を認める.これらの鑑別診断に造影USが有用なことがある.ただしCCAの可能性を否定できない場合や確定診断が必要な場合には,経乳頭的生検や超音波内視鏡下組織採取を検討する.