2026 年 53 巻 4 号 p. 213-222
超音波検査(ultrasonography:US)の重要な役割は癌のスクリーニング,鑑別診断,腫瘍浸潤深度の評価の3つのプロセスに分けられる.USはシンプルかつ低侵襲的な処置であるため,癌のスクリーニング及び健康診断に広く用いられている.胆嚢ポリープと胆嚢壁肥厚はどちらも一般的なUS所見である.一方,USは消化管ガスエコーの干渉を受けやすく,その診断精度は観測装置と超音波検査担当者の技能の両方に依存する.特徴的なアーチファクトとその影響への対処方法を十分に理解することも重要である.さらに,高分解能US(high-resolution ultrasonography:HRUS)によって得られる拡大画像は小型病変を捉えるために非常に有用である.鑑別診断に関しては,胆嚢隆起性病変(gallbladder polypoid lesion:GPL)を有茎性と無茎性(広基性)に分類することが非常に重要である.有茎性病変の中ではコレステロールポリープ,広基性病変の中では限局型の胆嚢腺筋腫症(adenomyomatosis:ADM)が特に重要な鑑別のターゲットである.さらに,数,サイズ,増殖速度,形状,内部エコー,表面輪郭,内部構造などの重要な所見を評価して総合的に判断する必要がある.通常は,USでは胆嚢壁が2層構造又は3層構造として描出される.しかし,内側低エコー層には粘膜と固有筋層だけでなく漿膜下線維層も含まれているので,層構造に基づくT1(粘膜又は固有筋層に限定)とT2(漿膜下に浸潤)との鑑別は困難である.形状,サイズ及び内部エコー構造も深達度診断に有用と考えられる.