2026 年 53 巻 4 号 p. 239-250
胆嚢壁肥厚に関連する疾患には,胆嚢腺筋腫症,急性胆嚢炎,慢性胆嚢炎,膵胆管合流異常に伴う過形成などの良性疾患だけでなく,癌も含まれる.硬化性胆嚢炎や免疫チェックポイント阻害薬に関連する胆嚢炎などの特定の疾患は,一部の全身性炎症性疾患と同様に壁肥厚を呈する場合がある.壁肥厚を呈する場合がある疾患のうち最も重篤な胆嚢癌は,早期診断及び壁肥厚の良性原因疾患との鑑別が困難な場合があり,これにより予後不良に至る.壁肥厚を伴う黄色肉芽腫性胆嚢炎と胆嚢癌との鑑別は,特に困難となりうる.癌は壁を肥厚させるが良性病変の併存も壁肥厚を引き起こすことも潜在的なピットフォールである.一方,胆嚢腺筋腫症や急性胆嚢炎などの壁肥厚の原因となる一部の良性胆嚢病変は一般に,臨床所見とともに特徴的な超音波所見を呈するので,容易に診断できる.本文献レビューでは,壁肥厚を呈する胆嚢病変のBモード腹部超音波診断について解説する.