日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
短報
患者尊厳測定尺度日本版(J-PDS)短縮版の開発
森 智子太田 勝正
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2019 年 11 巻 1 号 p. 75-82

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抄録

本研究の目的は、入院患者の尊厳を測定する患者尊厳測定尺度日本版(J-PDS)の短縮版を開発し、その信頼性・妥当性を検討することである。尊厳への期待について5因子21項目、満足度について3因子21項目からなるJ-PDSについて、一部修正を行った修正版を用いて調査を行った。全国20病院の入院患者378名から回答を得た(回収率:48.0%、有効回答率:100%)。修正版とオリジナル版との整合性の確認の後、因子負荷量を上げながら項目を絞り込んだ。その結果、尊厳への期待、満足度ともに3因子12項目の短縮版を得た。Cronbach’s α係数は、期待の程度では0.89、満足度は0.90であった。モデル適合度についてはGFIがそれぞれ0.826、0.898とやや不十分であった。一方、ローゼンバーグの自尊感情尺度と期待の程度の一部の因子の間と満足度には弱いながらも有意な相関が認められ、J-PDS短縮版はある程度の信頼性・妥当性を備えたものであることが確認された。

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© 2019 日本看護倫理学会
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