2024 年 16 巻 1 号 p. 20-29
本研究は、看護師の道徳的効力感に関連する倫理教育プログラムにおけるCNSの具体的な支援内容を明らかにし、CNSのコンサルテーションおよび倫理調整の役割を考察することを目的とした。研究方法にはアクションリサーチを導入し、参加看護師とCNSとの看護実践の会話内容による逐語録を質的記述的に分析した。その結果【参加者の気がかりから問題の本質に導く】【参加者の能力を見極め実現可能な教育方法を選択する】【倫理課題解決の方略を提案する】【リソースを活用し調整する】【参加者のエネルギーに配慮しながら支援し、実現に導く】【参加者の強みを引き出し自信につながる実践を実現させる】の6カテゴリーが見出された。CNSの支援は、参加看護師の自己効力の形成を促し、倫理的意思決定および倫理的実践に影響を与えたことが考えられ、本プログラムにおけるCNSの倫理調整とコンサルテーション役割の重要性が示唆された。