2016 年 8 巻 1 号 p. 32-38
本研究の目的は、急性期医療における後期高齢患者のインフォームド・コンセントへのよりよい看護支援を検討するために、その看護支援の現状を明らかにすることである。A病院急性期病棟に勤務する後期高齢患者のICに関わる看護師11名に半構成的面接を実施し、質的に分析を行った。その結果、【医師には言えない本音を受け止める】【ICに参加し後期高齢患者や家族の反応を観る】【IC後に後期高齢患者の理解度や受け止め方を確認する】など10カテゴリが抽出された。看護師は、後期高齢患者の心情や価値観、認知機能や理解力に配慮した上で、後期高齢患者の思いをきき、医師や家族との間に入り、後期高齢患者の意志が尊重された治療方針の決定に繋がるようにコーディネーターの役割を果たすことが重要である。また、チームでアプローチする姿勢を忘れず、多職種と協働することが必要である。