2016 年 8 巻 1 号 p. 39-47
本研究の目的は、臨床実習において看護学生がどのような倫理的ジレンマを経験するのかを明らかにすることである。研究方法は、文献調査であり、1990年から2013年までに医学中央雑誌に掲載された論文12件を対象とした。調査対象とした文献から、看護学生のジレンマに関するすべての項目を抽出し内容分析したうえでデータ化しカテゴリー化した。その結果、看護学生のジレンマに関連する要因として150データを抽出した。それらを類似した内容でまとめると、『看護師・医師に関するもの』6カテゴリー、『看護学生に関するもの』5カテゴリー、『患者家族に関するもの』3カテゴリー、『環境に関するもの』2カテゴリーに整理された。その結果、教育と臨床のギャップ、患者と学生の関係性、知識・経験不足、の3点が看護学生の倫理的ジレンマに影響することが考察された。看護学生が臨床実習で体験するジレンマは学内で学んだことと臨床の現実を目の当たりにしギャップを感じたときに経験することが示唆された。