看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
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総説
健康障害を生じるおそれのある化学物質の1日摂取量
- 農薬等、環境汚染物質、金属類、食品添加物 -
松本 比佐志
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2014 年 12 巻 1 号 p. 24-33

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抄録
農薬等、汚染物質、金属類、食品添加物などが食品中に高濃度に含まれていると、ヒトに健康障害をもたらすおそれがある。最近(2007~2011年度)のトータルダイエット分析による摂取量調査によると、PCBや農薬等の1日摂取量推計値(EDI)は、各々の1日摂取許容量(ADI)の6%未満であった。また、ダイオキシン類の食品を介したEDI はその耐容1日摂取量(TDI)の21%であった。金属のPb、Hg、CdのEDIは、それぞれのTDIの10、21、55 %となった。1986~2000年度に調査された食品添加物のEDIは、多く見積もったとしても対応するADIの10%以下の値であった。従って、これらの化学物質の毒性の強度、ADIやTDIに対する低いEDI、食品での違反検出率の低さなどを考慮すると、食品とともに生体内に取り込まれた物質または化合物間の相互作用により生体への悪影響が生じる可能性は極めて低いと考えられる。
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© 2014 看護科学研究編集委員会
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