抄録
妊娠中にレストレスレッグス症候群/Willis-Ekbom病(RLS/WED)は高率となる。本研究は日本の地域周産期母子医療センターにて入院管理を必要とした合併症を有するハイリスク妊産婦81人を対象としてRLS/WEDの有病率調査を行った。さらに、RLS/WEDと臨床像、分娩アウトカムとの関連について検討を行った。RLS/WEDが確定的、もしくは疑われる妊産婦は14人(17.3%)であった。妊娠前よりRLS/WEDの症状が出現していた者は9人(64.3%)であった。RLS/WEDと妊娠合併症、血清フェリチン値、血清葉酸値、分娩アウトカムとの関連性は認められなかった。ハイリスク日本人妊婦におけるRLS/WED有症状率は同年代の女性と比べて高率で、妊娠前のRLS/WEDはハイリスク妊娠と関連することが推察された。今後、RLS/WED女性における妊娠前からの前向き調査が必要である。