看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
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総説
産褥期における精油を付加した足浴の効果に関するシステマティックレビュー
小川 千晶白石 三恵安井 まどか岩本 麻希島田 三惠子
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2016 年 14 巻 3 号 p. 58-65

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抄録
精油を付加した足浴、すなわちアロマテラピーと足浴を組み合わせた「アロマフットバス」の産褥期における心身への影響についてシステマティックレビューを行った。データベース検索(医中誌、CiNii、MEDLINE、PubMed、CINAHL、PsycINFO)、包含・除外基準による検討及び論文の質評価の結果、6論文をレビュー対象とした。アロマフットバス群は、従来の足浴群や通常ケア群に比べて有意な疲労の軽減効果を有することを5論文が示していた。また、アロマフットバス群では、通常ケア群に比べて日本語版Profile of Mood States短縮版の下位尺度「緊張」得点の有意な減少および「活気」得点の上昇、ストレス反応チェックリストの身体的反応得点の低下、対児感情評定尺度における接近得点の減少を示した。産褥期のアロマフットバスの実施により、疲労や心理的にネガティブな気分の軽減や児の受容を促進する効果がある可能性が示唆された。しかしながら、産褥期のアロマフットバスの効果については更なる研究が必要である。
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© 2016 看護科学研究編集委員会
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