抄録
【目的】大学病院における地域の看護職へのシミュレーション教育の実態と課題を明らかにする。【方法】国内の132の大学病院の教育担当副看護部長、または教育担当の看護職で上位職者を対象に質問紙調査を実施した。【結果】回答を得た62施設のうち、16施設が地域の看護職へのシミュレーション教育を実施していた。シミュレーション教育の実施に関して、経済的要因が阻害し、地域との連携体制の構築の必要性を認識していた。シミュレーション教育の実施の関連因子として、病床数とシミュレーション教育に対する自施設の理解不足が示された。課題は、【人的資源】【連携体制】【シミュレーション教育に対する考え】【ニーズの把握】【物的資源】【経済的資源】に整理された。【結論】シミュレーション教育は、地域の看護職への教育として十分に実施されているとは言えず、人的・物的・経済的資源の確保および、地域との連携体制の構築が求められる。