看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
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総説
日本における外国人住民の医療・保健情報へのアクセスと利用に影響する要因についての文献レビュー
山口 貴子
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2023 年 21 巻 p. 29-40

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抄録

本研究は日本において外国人住民が医療・保健情報の入手と利用の際に影響する要因について、文献レビューから明らかにした。医学中央雑誌web版、CINAHL、PubMedの検索可能な全期間の論文から得られた33件の論文を分析対象とした。外国人住民は、母国とは異なる文化の中で言語による障壁を感じており、十分な情報が得られていない状況にあった。ソーシャル・サポートは親族や母国語を中心としたコミュニティによって提供されており、情報源も限られていることが明らかになった。本研究の結果から、外国人住民が情報を入手し、自己でそれらの情報を判断し意思決定するためには、十分な母国語での情報提供と母国文化の尊重、母国と違う医療システムへの理解の促進、コミュニティを中心としたソーシャル・サポートが重要であることが示された。ただし、外国人住民はその国籍や生活環境などにより、情報入手や利用に影響する要因が異なると考えられた。

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© 2023 看護科学研究編集委員会
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