抄録
本研究の目的は、乳房うっ積を認める授乳婦が快適感を得るブラジャーの特性と乳房緊満への効果について、乳房の引き寄せ距離、引き上げ距離、着用感から明らかにすることである。乳房うっ積を認める産後3日目の女性を対象に、ワイヤー型のブラジャー1点(ブラジャーP orブラジャーQ)、ノンワイヤー型のブラジャー2点(ブラジャーR、ブラジャーS)を着用してもらい、着用感に関するアンケートを実施した。ブラジャーRは乳房の持ち上がり感があるほど、乳房の張り感が軽減したと感じていた(r=0.861 p<0.01)。ブラジャーRは、伸縮性・通気性がよく幅広肩紐で肩への負担が軽減されたノンワイヤーであり、乳体部を圧迫せず乳房を支えるため、乳房うっ積を認める授乳婦に好まれることが明らかとなった。助産師として、ブラジャーの特性と乳房状態を理解したケア用品であるブラジャーの選択について支援していく必要があることが示唆された。