腎排泄型の医薬品は、慢性腎臓病(CKD)患者では投与量の調節が重要である。しかしながら、カルテの検査値を見ることができない薬局薬剤師は、腎機能低下について、患者インタビューによる情報に頼る状況が推測された。そこで、長崎県の腎臓専門医が、腎機能低下患者のおくすり手帳にCKDシールを貼付することによって、薬局薬剤師にもCKD情報が提供できる情報連携システムの構築を目指した活動を開始した。本情報連携システムの開始に先立ち、患者の腎機能の情報入手方法、CKD患者における医薬品の適正使用への関与方法およびCKDシールによる腎機能低下情報の連携について、病院薬剤師および薬局薬剤師へ意識調査を行った。ほとんどの病院薬剤師および薬局薬剤師から、積極的に腎機能低下の情報連携に協力する意思があるとの回答が得られた。CKDシールは腎機能低下の情報伝達のツールとして、病院薬剤師、薬局薬剤師ともに医薬品の適正使用に効果的であると判断していることが明らかとなった。