日本鳥学会誌
Online ISSN : 1881-9710
Print ISSN : 0913-400X
ISSN-L : 0913-400X
短報
福井県若狭町に飛来したコウノトリの冬期利用水田における水生動物群集の生息状況
水谷 瑞希佐川 志朗
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 68 巻 2 号 p. 209-215

詳細
抄録

コウノトリCiconia boycianaが冬期に滞在した福井県若狭町鳥羽谷の水田において,水生動物の個体数と現存量を調査した.これらの水田では,コウノトリが餌として利用するアメリカザリガニ,ドジョウおよびトンボ目(幼虫)が現存量において大きな割合を占めていた.水生動物の個体数や現存量は田面の状態によって異なり,耕起後の凹凸が大きい水田で多かった.低湿な水田において,耕起でできた凹みに水が溜まることで形成された一時的水域が,水生動物の好適な生息環境になっていたと考えられた.

著者関連情報
© 2019 日本鳥学会
前の記事 次の記事
feedback
Top