2021 年 49 巻 6 号 p. 474-479
症例は25歳,女性.突然の頭痛を自覚して前医を受診し,頭部computed tomography(CT)にて右脳室内出血を認めた.当院に搬送となり,脳血管撮影にて右片側もやもや病と診断した.また,右側脳室壁に接するレンズ核線条体動脈末梢の脳動脈瘤を認め,脳動脈瘤破裂による脳室内出血と診断した.慢性期のバイパス術を予定し降圧療法を開始したが,第5病日に軽度の意識障害を認めた.脳室内に再出血を認めたが,脳血管撮影では脳動脈瘤は描出されなかった.第9病日に脳血管撮影を再度施行したところ,脳動脈瘤がふたたび描出された.このため,脳動脈瘤に対する血行力学的負荷の軽減目的に緊急バイパス術を施行した.しかし,第14病日の頭部MRIではT1 weighted imageにて脳動脈瘤周囲に高信号域を認め,再々出血が疑われた.また,第16病日の脳血管撮影では脳動脈瘤は残存していたため,脳動脈瘤が出血源と考えられた.このため,脳動脈瘤の根治を目的に,同日に脳動脈瘤摘出術を施行した.術後に左片麻痺を認めたが,3カ月後にmodified Rankin Scale 1で自宅退院した.もやもや病に脳動脈瘤を合併し,頭蓋外内血管バイパス術後にも脳動脈瘤の再破裂を繰り返す場合には,脳動脈瘤自体の外科的処置が必要であり,脳動脈瘤摘出術は有効な治療オプションになり得ると考えられた.