日本鳥学会誌
Online ISSN : 1881-9710
Print ISSN : 0913-400X
ISSN-L : 0913-400X
原著論文
東京帝室博物館旧蔵鳥類標本コレクションの歴史―オーストラリア博物館に由来する標本に注目して
小林 さやか加藤 克
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 69 巻 2 号 p. 209-221

詳細
抄録

山階鳥研に所蔵される東京帝室博物館旧蔵鳥類標本群(帝室博物館コレクション)は,明治から大正期にかけて2つの国立博物館によって収集された重要な標本群であるが,採集情報の不明確な標本が多く,研究に利用しにくいという課題がある.本研究では帝室博物館コレクションの中に存在するオーストラリア博物館由来標本に注目し,各標本に担保された採集情報を付与することを最終目的に,標本の歴史的経緯について検討した.その結果,オーストラリア博物館由来標本は,1888年に東京教育博物館に送られた195点と,1893年に帝国博物館に送られた134点の計329点で構成されていた.うち326点(99.1%)が山階鳥研に所蔵され,19世紀にオーストラリア博物館から送られた標本のほとんどが現存していたことが判明した.また,本研究では標本の歴史的経緯の検討の過程で,各標本の採集情報を担保する資料が見出された.これにより,オーストラリア博物館に由来する各標本の採集情報の復元を可能とした.

著者関連情報
© 2020 日本鳥学会
前の記事 次の記事
feedback
Top