日本評価研究
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ミニ特集:プログラム評価の現状と可能性
科学的根拠に基づく実践とその形成評価アプローチが日本社会に定着しない現状と要因
~改善への示唆~
大島 巌
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2014 年 14 巻 2 号 p. 17-28

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抄録

 保健・福祉領域など対人サービス領域において効果的プログラムモデル形成と評価の経験に基づいて、科学的根拠に基づく実践(EBP)および効果的プログラムモデル形成評価アプローチに対して社会的な関心が乏しい日本の現状とその要因を国際的な視点と対比させて明らかにする。その上で、そのアプローチを社会に定着させるための社会的条件と課題を検討した。

 日本社会においては、まず社会プログラムが使命として達成すべきプログラムゴールの実現を、利害関係者、特にプログラムに深く関わる施策立案者や実践家・管理者が強く共通認識することがその立脚点になる。その上で、成果中心の科学的プログラム評価の実施、EBP等効果的プログラムモデル(EBP等効果モデル)の重視・尊重、EBP等効果モデルの情報集積とデータベース構築、関係者間での共有化、実践家参画型アプローチの尊重、その実現のための体制整備が図られる必要がある。

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© 2014 日本評価学会
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