日本評価研究
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研究論文
マイクロクレジットの貧困削減への効果分析
-インド マディヤ・プラデシュ州における女性自助組織の事例より-
高田 美穂
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2019 年 19 巻 1 号 p. 1-18

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抄録

 マイクロクレジット(MC)プログラムの目覚ましい拡大を背景に、近年、多くの研究が検証に取り組んできたが、貧困削減効果が明確にあるのか否かについてはコンセンサスが得られているとは言い難く、また、どのような経路を通して貧困削減効果が達成されるのかも不明瞭である。そこで、本研究は、インドの中でも最貧地域であり金融包摂の遅れているマディヤ・プラデシュ州におけるSHG(女性自助組織)プログラムを分析対象とし、マッチング手法と差分の差法を掛け合わせる準実験手法を用いて、MCプログラムが世帯の金融上の制約を緩和し、貧困を削減させる効果があるのか、そして効果がある場合はどのような世帯の金融行動の変化を伴うのかを検証した。

 結果から、途上国におけるMCプログラムは、世帯の金融上の制約を緩和し、貧困を削減させる効果があることが証明された。また貧困削減効果への経路を解明するための受益者の金融行動の変化については、受益者に有意な差が確認された。

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