2024 年 65 巻 2 号 p. 47-55
日本新産のベニタケ属種Russula lakhanpalii(新称: ヒダワカレウスチャハツ)について,青森県で採取された標本の形態学的および分子系統学的解析に基づき報告した.日本産標本の子実体は黄褐色の傘,頻繁に分岐し,密に配置したひだ,FeSO4染色陰性の肉およびクレシルブルー異性染色性の傘表皮を有する点で特徴付けられる.核rRNA遺伝子のITS領域の最尤系統樹により,日本産標本がインド産や中国産のR. lakhanpaliiと単系統のクレードを形成することが示された.