2023 年 31 巻 1 号 p. 3-6
有経女性に比較的高頻度に認められる月経前症候群の症状は精神面,身体面に多岐にわたるためメンタルヘルスにも影響を及ぼし,働く女性にとっても職場の管理者にとってもインパクトの大きい困り事の一つになっている.PMSは日々の症状記録によって診断され,生活やスケジュールの調整や生活改善などのセルフケアが大切である.月経困難症とPMS双方の月経随伴症状に有効である低用量ピルなどの薬物療法の選択肢があるにもかかわらず,PMSを自覚する女性たちの多くが適切な対処をとっておらず仕事のパフォーマンスの低下を招いていることも報告されている.月経コントロールにかかわるヘルスリテラシーを向上する教育的アプローチや適切な受診勧奨・医療連携の体制づくりが求められる.