産業精神保健
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特集 パワーハラスメント防止と産業精神保健
パワーハラスメントと産業精神保健
―産業医の立場から―
鎌田 直樹
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2024 年 32 巻 3 号 p. 271-275

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抄録

パワーハラスメントに関しては,令和2年6月1日に,事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針が適用となった.対策を考える上で,産業保健スタッフは公的機関の調査結果や代表的な判例から最近の動向を学ぶことは重要である.加えて,我々が日常的にセルフケアやラインによるケアに関する教育の際に使用している精神医学的アプローチなどもその対策として活用することも可能である.また,対策は産業保健スタッフ単独で行うものというより,これらの知見を企業内の各部門と共有しながら推進することが望ましい.本稿ではパワーハラスメントの定義,最近の国内での調査結果,事例学習のヒント,企業内で実施可能な介入手段や手法,いざ事態が生じたときの注意点について産業医の立場から整理する.なお,特定の団体や企業に関するパワーハラスメントに関する議論ではない.

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© 2024 一般社団法人 日本産業精神保健学会
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