産業精神保健
Online ISSN : 2758-1101
Print ISSN : 1340-2862
特集 仕事における孤立・孤独:産業精神保健における新たな課題
仕事における孤独への身体活動介入
櫻谷 あすか
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2025 年 33 巻 3 号 p. 196-200

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抄録

本稿では,はじめに身体活動介入と孤独感との関連についての知見を整理するために,一般住民を対象とした系統的レビューを紹介する.これまでの先行研究から,身体活動介入により孤独感を改善できる可能性が示唆されているが,多くは高齢者を対象とした知見であり,職域でのエビデンスはほとんどない状況である.労働者においても身体活動介入が孤独感改善に寄与するか,について研究の蓄積が求められる.次に,著者らが開発した在宅勤務者を対象としたオンライン身体活動介入プログラムの孤独感への効果について,単群前後比較試験の結果をもとに紹介する.いくつか条件を変えて本プログラムの効果を検証した結果,講師や参加者同士の交流を促すような形式で実施した場合は,孤独感の改善に効果がある可能性が示された.今後は,サンプルサイズを増やした比較対照試験を行い,本プログラムの効果を慎重に検討する必要があると考えられる.

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© 2025 一般社団法人 日本産業精神保健学会
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