抄録
玄米を発芽させるとγ-アミノ酪酸(GABA)の増加に伴って不快臭も生成する。そこで岐阜県産コシヒカリを用いて,加温処理の温度および時間が発芽玄米の香気成分組成に及ぼす影響について検討し,発芽条件の異なる玄米のGABA含有量と揮発性成分を分析した。その結果,加温処理時間が長くなるに従い香気成分の種類および量が増加することを確認した。また温度が高くなるに従って短い加温処理時間でGABA含有量が増加し,香気成分の量も増加傾向が認められた。しかしながら60℃加温処理条件では香気成分の生成が抑制されていた。各処理条件における香気成分組成が異なることから,加温処理条件を変えることでGABAの増加と香気特性の改善が期待できる。