日本口腔顔面痛学会雑誌
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総説
精神疾患としての口腔顔面痛
山田 和男
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2008 年 1 巻 1 号 p. 17-25

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抄録

目的: 口腔顔面痛は, 通常は, 体性痛, 神経因性疼痛, 心因性疼痛に分けられるが, 筆者らは, 身体疾患 (Axis I) と身体化を生じうる精神疾患 (Axis II) に分けることを提唱している. 口腔顔面痛におけるAxis IIの代表的な疾患は疼痛性障害である. 非定型歯痛, 原因不明の舌痛症, 難治の顎関節症などの多くが, 疼痛性障害と診断される可能性がある. 本稿では, 疼痛性障害の診断と治療について概説する.
研究の選択: 疼痛性障害の診断に関しては, 米国精神医学会編集の精神疾患の診断·統計マニュアル第4版 (DSM-IV) を参照した. 治療に関しては, エビデンスレベルの高いランダム化対照比較試験の結果や, 筆者らの研究報告, 筆者らの治療経験をもとに説明した.
結果: 疼痛性障害の診断はDSM-IVの診断基準に基づいて行うことが適切である. 疼痛性障害の治療は, 不可逆的な処置や侵襲的な処置を行わないこと, アミトリプチリンなどの抗うつ薬による薬物療法を行うこと, 認知行動療法などの心理社会的アプローチを行うことが適切である. 特に, 抗うつ薬による薬物療法には, 多くのエビデンスがあった.
結論: 口腔顔面領域における疼痛性障害の治療に関しては, アミトリプチリンなどの抗うつ薬による薬物療法を行うことが推奨された.

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© 2008 日本口腔顔面痛学会
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