日本口腔顔面痛学会雑誌
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原著論文
卵巣摘出ラットにおける舌痛発症機構の検討
関根 尚彦
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キーワード: BMS, 卵巣摘出, 性ホルモン, TNBS
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2019 年 12 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

目的:バーニングマウス症候群(BMS)は,主に舌に生じる原因不明の慢性疼痛疾患である.BMSの発症は主に閉経後の女性に多くみられることから,性ホルモンを介した内分泌機能異常が影響していると考えられているが,発症機構に関しては全く明らかにされていない.そこで,性ホルモンの変化と舌痛との関係を調べることを目的として本研究を遂行した.
方法:卵巣を摘出した雌性ラット(OVX)と,舌にTri-nitro Benzene Sulfate(TNBS)を塗布したBMSモデルラットを作製し,舌における機械刺激と温度刺激に対する舌ひっこめ反射閾値(TWT)を測定した.また,OVXの舌上皮をHE染色で観察し,炎症性変化の有無を観察した.
結果:OVXと卵巣摘出したTNBSラットの機械刺激に対するTWTは有意に低下したが,温度刺激では変化しなかった.OVXラットの舌表皮にはリンパ球の集積がほとんど認められず,炎症が生じている可能性は低いと思われた.
結論:卵巣摘出やTNBS処置により,機械刺激に対する舌の痛覚過敏が生じ,性ホルモンがBMS発症に関与している可能性が示唆された.BMSの発症機構には,炎症の関与はないと思われるが,舌神経線維のさらなる検索が必要と思われた.

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© 2019 日本口腔顔面痛学会
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