抄録
クライエント中心で,作業中心の作業療法を発展させるために,作業療法をCo-occupationとして考える価値がある. 日本の作業療法士−クライエント関係 (以下 : OTR−CL関係) についての研究状況を明らかにするために,2005年から2015年の文献レビューを行なった. 日本におけるOTR−CL関係についての研究は事例研究が多数を占めており,クライエントと作業療法士両者を対象にした研究は少なかった. データ収集方法において観察は少なかった. また作業科学の視点で執筆された研究は1件のみであり,事例研究以外の研究の中で,クライエントと作業療法士の相互作用について記載があったのは,30%であり,OTR−CL関係についての研究をCo-occupationの視点からとらえることができるものは少なかった. さらにOTR−CL関係を理解するためには,作業科学の視点が含まれた研究が推進されることが望まれる.