薬剤疫学
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活動報告
「日本における適正な安全性監視計画作成のためのタスクフォース」報告書 
よりよい医薬品安全性監視計画作成とチェックリスト
久保田 潔青木 事成漆原 尚巳鍵村 達夫景山 茂小出 大介古閑 晃佐藤 嗣道中村 敏明中島 研畑中 直也平河 武宮川 功望月 眞弓
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2014 年 19 巻 1 号 p. 57-74

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抄録

日本薬剤疫学会では,医薬品リスク管理(Risk Management Plan:RMP)を作成,実行する側の製薬企業と医療現場およびアカデミアからなるタスクフォースを設置し,2012年4月に厚生労働省より発出された医薬品リスク管理計画指針通知に明記されているICH E2E に準拠した安全性監視計画(Pharmacovigilance Plan:PVP)が立案可能となるようなガイダンスを作成した.内容は以下の 6つから構成されている.
1.はじめに:市販後安全性監視に係るこれまでの当学会活動や,活動の目的
2.安全性検討事項(Safety Specification:SS)の選択と特徴を記述するためのプロセス
・SS をどう選択するか
・SS をどう特徴付けるべきか
・リサーチ・クエスチョン(Research Questions:RQ)にどうつなげるか
3.RQ の決定と記述
・RQ とは何か
・各種ガイドラインではどう扱われているか
・PVP へ RQ を記述する方法と具体的事例
・PVP 全体としてみた最適とは
4.RQ に最適化された PVP
・通常の PVP で可能か,追加の PVP が必要か
・追加の PVP のデザインの選択について(RQ と研究デザイン,PICO を用いた RQ の記述,評価の指標)
・PVP の記載事項チェックリスト作成について
5.結語:使用成績調査の位置づけ,背景発現率と比較群の必要性,今後の PVP の課題
6.別添:PVP の記載事項チェックリスト
以上をもって医薬品リスク管理計画指針に明記されている「ICH E2E ガイドラインに示されている安全性検討事項及びそれを踏まえた医薬品安全性監視計画」が作成,実行できることを期待したい.

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© 2014 日本薬剤疫学会
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