日本小児血液学会雑誌
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Cytosine-arabinoside, vincristine, prednisolone併用療法が有効であったLangerhans cell histiocytosis の1例
越智 文子河崎 裕英圀府寺 美小林 陽之助
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1996 年 10 巻 3 号 p. 179-183

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抄録
1歳の男児.発熱, 出血性皮疹, 肝脾腫, 汎血球減少を呈し, 皮膚生検でLangerhans cell histiocytosis (LCH) と診断した.Prednisolone, vinblastine, etoposide, cyclophosphamide, cyclosporine, vincristine, 6-mercaptopurineを用いた化学療法を1年施行したが, 抵抗性で症状は改善しなかった.Dexamethasoneの投与で解熱し, CRPも低下したが, 肝脾腫は改善しなかった.病勢の進行が著しいときには, サイトカイン除去目的で血漿交換を行った.症状が悪化したため, 2歳のとき, cytosine-afabinoside, vincristine, prednisolone併用療法を施行した.間もなく肝脾腫は縮小し汎血球減少も著明に改善した.現在3歳7カ月で, 本療法を8週ごとに施行しているが, 軽度の脾腫を認めるのみで, 良好な部分寛解の状態が持続している.
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