抄録
風疹, EBV混合感染が原因で生じたと考えられる血球貪食症候群の4歳女児例を報告した.風疹感染後に発熱が続いており当初は風疹後の血球貪食症候群と考えたがウイルス抗体価の推移からEBVも関与する混合感染が原因と判明した.患児には免疫異常など基礎疾患はなく, 風疹, EBVが混合感染となったことが発症の一因と思われた.治療はステロイド療法, γ-glb大量療法を施行したが, 臨床経過, 検査成績からγ-glb大量療法が有効であった.IFN-γ, IL-6, sIL-2Rを経時的に測定したが, γ-glb大量療法前後でIFN-γが45.4U/mlから5.7U/mlと変動を示し, 血球貪食症候群におけるγ-glb大量療法の作用機序を考える上で重要な所見と思われた.