抄録
1960年代以降, 化学療法に頭蓋放射線照射や髄注を組み合わせることにより, 小児急性リンパ性白血病 (以下ALL) の中枢神経系 (CNS) 再発率は著しく減少している.しかし, 現在も約5-10%のCNS再発が認められており, その治療法はさまざまである.今回, われわれは, 1986-1993年に孤立性CNS再発をきたし, 当科に入院した小児ALL4例の治療法を検討し, 報告した.全例, 標準危険群ALLで, 初回CNS予防は, メソトレキセート (MTX) の点滴とMTXとハイドロコーチゾン (HC) の髄注を行った.他院で照射を受けた1例を除く3例で, 頭蓋照射は併用せず, 初回寛解持続期間は24-56カ月であった.CNS再発時の治療は, 全身化学療法とMTX, シタラビン, HCの3者L髄注を行い, 照射を併用した.2例は第2寛解を維持し, 2例にCNS再々発を認めた.自家骨髄移植を1例に行い, 4例とも無病生存中である.