日本小児血液学会雑誌
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寛解導入時にall trans-retinoic acidによる血球貪食症候群を発症した急性前骨髄性白血病 (M3) の2例
井口 晶裕佐藤 智信金田 真小林 良二
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2006 年 20 巻 1 号 p. 39-44

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抄録
All trans-retinoic acid (ATRA) 投与が関与した血球貪食症候群 (HPS) を合併した急性前骨髄性白血病 (M3) 症例を経験した.症例1は4歳の女児. ATRAを含む寛解導入療法開始30日目にHPSを発症.症例2は17歳の男児.ATRAを含む寛解導入療法開始37日目にHPSを発症.症例2ではATRAに対するリンパ球刺激試験が陽性であった.2症例ともにプレドニゾロン投与にて軽快し, いずれもその後にHPSの再発はない.初回治療後の血球回復期に発症しやすい要因があると推察され, 血球回復期の高サイトカイン血症の関与, またATRA症候群の一亜型である可能性などが考えられた.
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