薬学教育
Online ISSN : 2433-4774
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誌上シンポジウム:『薬学教育研究、事始め』~さあ薬学教育研究を始めよう!リサーチクエスチョンから研究実施まで
多変量解析を用いた学修成果の検討
―早期臨床体験におけるアンケートの解析―
串畑 太郎山本 祐実西川 智絵栗尾 和佐子安原 智久曽根 知道
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2017 年 1 巻 論文ID: 2017-001

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抄録

【目的】早期臨床体験における訪問施設での見聞・体験の内容が,学修成果に与える影響を,実施内容に関する実態調査とプレ・ポストアンケート結果の多変量解析から検討する.

【方法】2015年度1年次生を対象に,訪問施設で見聞・体験した内容をグループ毎に調査し,「臨床現場に依存した見聞・体験か,否か」を基準に,臨床現場依存の見聞・体験度を算出した.また,個人を対象に薬剤師に対する関心を問うプレアンケートと,施設訪問で受けた印象を問うポストアンケートの結果を用いて,因子分析・クラスター分析を行った.

【結果・考察】臨床現場依存の見聞・体験度は,病院:9.2 ± 3.4,薬局:8.0 ± 2.9であった.薬剤師に対する関心が高かった群から薬剤師に対する関心が下がった群に推移した学生(n = 7)は,臨床現場依存の見聞・体験度が,病院:6.0 ± 2.6,薬局:5.7 ± 2.4と,平均より低い傾向にあり,訪問施設での見聞・体験の内容が学修効果を低下させている可能性が示唆された.

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© 2017 日本薬学教育学会
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