2017 年 1 巻 論文ID: 2017-010
1回生を対象にした少人数制の化学の授業で反転型の授業を試みた.授業2週間前に演習問題を宿題として課し,提出された宿題を採点し返却した後,演習問題の解説を中心とした講義を行った.また,授業への参加と宿題に対して学生はルーブリックを使って自己評価した.2012~2015年度の反転型授業および従来型授業の受講生について,初回授業開始前と最終授業終了後の試験成績から算出した偏差値差や偏差値比を比較したが,両受講生間に有意な差は見られなかった.しかし,反転型授業の受講生では学生が留年する確率が有意に低下しており,特に成績が向上しなかった者においてその差が顕著であった.ルーブリックによる宿題に対する評価は定期試験偏差値に影響したが偏差値差や偏差値比には影響しなかった.