近年,薬剤師による質の高い研究が求められているが,その活動を行うにあたっては多くの問題が存在する.2015年より,神戸市立医療センター中央市民病院薬剤部にて,我々が独自に作成した研究に関する進捗状況報告書と報告会(Laboratory Conference)を導入することとした.薬剤師は,修正を重ねながら報告書を書くことにより,テーマの重要性や方向性を見直し,Laboratory Conferenceにて共同研究者とデータについて議論を交わす.今回,我々は,薬剤師を対象としたアンケート調査により,進捗状況報告書とLaboratory Conferenceの必要性を評価した.報告書のほとんどの項目で必要と回答されていた.報告書もLaboratory Conferenceも必要性を理解できる,テーマの整理ができるなどの意見が出された.進捗状況報告書やLaboratory Conferenceの導入後,学会の発表数は変わらなかったが,学会発表のテーマの論文執筆数は増加した.我々は,研究の進捗状況報告書やLaboratory Conferenceの導入が,薬剤師による研究の質の向上に寄与しうることを期待する.