従来,1年次基盤実習では,少数の教員による講義方式で実習指導を行ってきた.2013年度より5年生が2年生を指導し,2年生が1年生を支援・指導する,屋根瓦式教育を取り入れたピアサポート方式を導入した.本方式の確立を目指し,2013年度から2016年度まで改善を重ねてきた.本論文では,改善してきた実践結果とその効果について報告する.本方式の効果を検証するために,ピアサポート後にアンケート調査およびルーブリックの自己評価を行った.
2013年度の2年生は,支援・指導する上で事前の実習講義だけでは不十分と感じた.
2014年度より,事前学習にプレ実習,指導マニュアル,SGD,事後に5年生によるフィードバックを導入するなどの改善を重ねた.改善されたピアサポートは,2年生に実習支援する上での知識,指導方法の共有化,指導意欲,1年生に基盤実習の知識や技能,実習の面白さをもたらした.本方式は,効果的な実習方法であることが示唆された.