愛知学院大学薬学部では「教育の質向上」及び「教員の資質向上」を目的に,教員が直面している身近な問題を題材にしてFDワークショップ(WS)を開催してきた.WSには専任教員だけでなく実務実習担当薬剤師も参加して活発な意見交換が行われ,教員間での意思の疎通が十分に図られた.そして,1)教員の教育改善に対する意識の向上,2)教員間での問題意識の共有,3)教育改善を進めるための具体的な対策の共有,など数々の成果が得られた.一方,1)教育改善の有効性を適切に評価する方法や基準の策定,2)PDCAサイクルを継続的に回す駆動力となる仕組み作りの必要性,などいくつかの課題も見つかった.WSで培われた教員間の連携意識は,実際に薬学部が抱える諸問題に対する対策を講じやすくするとともに,今後の「教育の質向上」及び「教員の資質向上」に向けた取り組みをさらに推進するために大いに役立つと考えられた.