2018 年 2 巻
平成18年度から開始された6年制薬学教育は,平成29年度に12年目を迎えた.この6年制教育の開始に先んじて平成16年に出された中央教育審議会による提言では,「第三者評価の体制整備」が,最重要事項として取り上げられた.これは,「社会からの要請に応える医療の担い手としての薬剤師の養成教育について,十分な検証と適正な評価を行うことが求められる」と判断されたことによるものである.すなわち,第三者評価の意義は,薬学教育プログラムが薬学教育評価機構が定める基準へ“適合”することの“認定”によって,6年制薬学教育が“社会が求める薬剤師養成教育の質”を満たしていることを客観的に保証することにある.本稿では,薬学教育評価機構における「第三者評価」について概説し,続いて平成28年度までの受審大学の主な評価基準における評価結果を実際に評価を担った評価委員会の視点から取り上げることによって,大学が自らの責任で教育研究の質を維持・向上させる内部質保証システムの重要性についての認識を高めるための情報の共有化を図りたい.