2020 年 4 巻 論文ID: 2020-018
薬学部4,5年生の希望者を対象に,医薬品の構造式を中心とし,その特徴や性質,薬理作用など分野横断的な学習の促進を目的に,ゲーミフィケーションを活用したツールとして構造式かるたを開発した.この「かるた」を用いた教育手法として,事前学習を含めた講座対抗かるた大会を企画・運営し,大会後,アンケートを実施した.その主成分分析の結果,第1主成分は「かるた」と大会への印象が,第2主成分は大会への参加動機と事前学習が対応すると考えられた.5年生は事前学習の有無に関わらず,「かるた」及び大会への印象が良好な一方,4年生では事前学習は行われたが,相対的に「かるた」への印象は不良な傾向にあった.その要因として,実務実習によって分野横断学習に対する関心が増加したことが考えられた.また,「かるた」等への印象が不良な群も確認され,その要因には競争心の低さとの関連が考えられた.