基礎系分野が臨床的課題の理解へ繋がる思考プロセスを体験するため,ジグソー法を応用したトライアルを実施した.4,5年次薬学部生21名を3班に分け,班別に化学,薬理学,病態・薬物治療学の講義を行った.各班から1名ずつ3名の班へ組み直し,各自の学習内容を伝達し合う協調的学習を行った.その後,個人及びSGDで講義内容を応用する臨床的課題に取り組み,このSGD前およびトライアル終了後にアンケート調査を実施した.講義が課題を解く参考になったという学生の評価がポストアンケートで上昇し,講義は課題に繋がる内容設定と考えられた.また,SGDにより課題を解けたという評価が高く,グループ学習の有用性が示された.実施後アンケートで高い満足度,学習意欲向上が認められたのに加え,自由記述の感想で臨床的課題と「有機化学」「考える」との関連が得られ,本トライアルの参加者が分野横断的な思考プロセスを体験できたと考えた.