本学では1年次基礎実験実習に2年生が支援・指導を行うピアサポートを実施している.2018年度より,実習終了後に行っていた実習内容の口頭試問を廃し,2年生がファシリテーターを務めるグループワークを導入した.グループワーク導入により,2年生にもたらす教育効果を実習支援後のレポートのSCAT法による分析結果とルーブリックによるパフォーマンスの自己評価より検証した.また,1年生の実習に対するパフォーマンスにもたらす効果を,2年生が1年生をルーブリックで評価した結果を用いて,2017年度と2018年度を比較した.その結果,グループワークのファシリテーターを務めた2018年度の2年生は2017年度と比べて,指導方法を考えて実行する課題発見・問題解決能力,行動力が養われ,教育への意識が向上することが示された.また,2018年度の1年生はグループワークを通じて,実習についての思考や課題発見・問題解決能力が養われることが明らかとなった.