2020 年 4 巻 論文ID: 2020-036
加速的な人口減少に端を発する人口動態の変化やAI等の技術革新に伴う産業構造の転換など,学生を待ち受ける社会環境の大きな変化は,学校教育全体に大きな影響を与えている.現在進められている高大接続改革の主眼は,点としての入試改革や,大学・高等学校における教育改革を別個に進めることのみに非ず,学校から社会へのトランジションを円滑に進めるために,共通の枠組み・言語の元で,学校段階を超えて生徒・学生の学びと成長を最大化しようとするものである.
これまで行われてきた座学中心の授業や暗記型の学習といった狭義の学力養成から,主体的・対話的で深い学びや探究的な学び,社会に開かれた教育課程の実現へと教授・学習パラダイムの転換が図られる.社会(出口),高校(入口)双方が大きく変わろうとする中で,大学はそれをどう受け止め,教育の転換を図ることが求められるのだろうか.教育政策,統計データ,実践を踏まえて考えたい.